ニュース

当社出資先の仏Inflectis Bioscience社がフランスの規制当局より同社IFB-088についてALSを対象とした第2相臨床試験実施の承認を取得しました

01/10/2022
当社投資先企業であるInflectis Bioscience社は、統合的ストレス応答(ISR)の非活性化パスウエイの選択的低分子阻害剤による神経筋疾患治療薬の開発を行っておりますが、同社開発品目であるIFB-088について、フランス規制当局ANSMより、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を対象とした第2相臨床試験の開始に関する承認を受けました。本試験は、球麻痺症状が主体となる球麻痺型(bulbar-onset)ALS患者を対象に、6ヶ月の治療期間に関し、IFB-088とリルゾール100mgを併用した群の、プラセボとリルゾール100mgを併用した群に対する安全性と有効性を評価するための、探索的な二重盲検プラセボ対照無作為化臨床試験です。

IFB-088は、欧州においてALS治療薬として承認されているリルゾールと併用し、1日2回(朝・夕)、6ヵ月間経口投与されます。試験期間中の安全性は、データおよび安全性モニタリングボードによって監視されます。IFB-088を投与する最低28名とプラセボを投与する最低14名を含む最低42名以上の被験者がリクルートされます。本試験の主な目的は、ALSにおけるIFB-088の安全性と、6カ月間にわたるIFB-088 50mg/日とリルゾール100mg/日の併用療法について、プラセボとリルゾール100mg/日の併用療法に対する有効性を評価することです。

この第2相試験は、フランスおよびイタリアで実施されます。なお、同社は、イタリア医薬品庁(AIFA)に治験申請書(CTA)を提出し、承認を待っています。

IFB-088の安全性は、72名の健康なボランティアを対象とした第1相臨床試験で確認されています。この二重盲検プラセボ対照無作為化単回および複数回投与(SADおよびMAD)のエスカレーション試験では、成人男性ボランティアにおいて、IFB-088の投与が安全かつ良好な忍容性を示すことが明らかになりました。IFB-088を2.5mg~60mg/日の範囲で単回経口投与した8名のSADコホート6群と、IFB-088を15~50mg/日の範囲で14日間連続経口投与した8名のMADコホート3群において、重篤な有害事象、用量制限毒性、臨床的に有意な異常は認められませんでした。

IFB-088(INN: Icerguastat)について

IFB-088は、中枢神経系および末梢神経系をターゲットとした、有効な作用機序と有望な薬物動態プロファイルを有する、ファースト・イン・クラスの経口投与可能な低分子化合物の医薬品候補です。IFB-088は、小胞体やミトコンドリアストレスによって誘発されるISRの内、ISR解消や炎症の惹起に関連するPPP1R15A/PP1cホスファターゼ複合体を標的とします。ISRそのものは維持することで、ストレスを受けた細胞のタンパク質翻訳速度を一定に保つことで細胞内タンパク質によって管理可能なレベルに維持し、オートファジーを活性化し、また小胞体ストレスやミトコンドリアストレス解消に関連するパスウエイの活性化を促すことで治療効果を発揮します。IFB-088は、ストレスを受けた細胞に特異的に作用し、ストレスを受けていない正常な細胞ではタンパク質合成が持続的に阻害されることはありません。